日臨技会長講演

日臨技会長講演のご案内  9月30日(土) 9:15~10:15 第1会場

 医療法・臨検法の一部改正に伴う今後の方向性
      -多様なニーズに対応できる臨床検査技師のあり方-

参議院議員
一般社団法人 日本臨床衛生検査技師会
代表理事会長  宮島 喜文

司 会:  平成29年度中部圏支部医学検査学会長  椙山 広美

  2025年には団塊の世代が75歳以上の後期高齢者となり、要介護、認知症高齢者が急速に増加すると推計されています。政府は2025年問題として、持続可能な社会保障制度とするため医療提供体制の見直しを開始した。「病院完結型医療」から患者を地域で連携して支える「地域完結型医療」へと大きな転換が進められて、急性期病床を縮小し、回復期・慢性期病床を増やし、更に在宅医療を充実する方向で国は医療・介護の改革を進めている。
  平成29年6月7日、参議院本会議において「医療法等の一部を改正する法律案(内閣提出第57号)」が全会一致で可決、成立した。医療機関等の中で検体検査を行う場合の施設の構造設備等並びに精度の確保の方法等に関する基準の創設、衛生検査所等において行われる検体検査の精度の確保に関する基準の明確化の措置の他、検体検査を包括規定し、詳細な分類は厚生労働省令に委任することが規定された。医療機関における検体検査の品質・精度管理の詳細な基準については、今後、厚労省に設置される検討会で議論される予定である。
  また、平成17年の臨床検査技師等に関する法律の改定時の付帯事項であった「高度な医学的知識及び技術を必要とする検査については、検査の精度保証を確保する上で、専門的知識や技能を有する臨床検査技師が行うことが望ましい。」との記述がされたが、その後、十分な展開ができなかった。今回の医療法、臨検法の一部改正に伴う付帯事項において、「検査精度の確保に関しては、遺伝子関連検査を含む検体検査のみならず、心電図、脳波、超音波検査等の生理学的な検査について、学術団体等の作成するガイドライン等に留意しつつ検討することなどが記載されている。
  したがって、病院内で実施される臨床検査が「やっと市民権を得た」と喜ぶ声もあるが、昭和33年以来の悲願である医療法の中における「臨床検査」の法的地位が実現したと言える。しかし、臨床検査技師の業務独占までには「まだ遠い道程がある」と考えるべきである。そのように考えれば、「決してゴールに達したのではなく、今からがスタート」と言うべきであろう。
  今後、日臨技としては「検体検査の特定分野における業務制限」に向けて、遺伝子関連検査、輸血を含む移植関連検査、がん治療(遠隔診断など)に関する病理検査、耐性菌に関する微生物検査など、高度な知識や技術を要する分野については検査の専門家として、検査の品質と精度保証を確保する上で法的な業務制限に向けた取組みを展開する。
  「日臨技を新生させ、未来を拓く」・・この旅はまだまだ続く。「真の医療人と言われる臨床検査技師像」を目指して、皆さんと一緒に頑張りたい。

(平成29年6月22日)

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